完全室内飼いの猫でも、ケガをすることはあります。
今回はわが家の猫の爪が折れたときの体験談から、以下の疑問にお答えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
・根元からポッキリ折れてしまったけど病院へ連れていくべき?
・病院ではどんな処置をしてもらえる?
・病院へ連れて行かない場合のリスクは?
・病院で診察してもらうと料金はいくらかかる?
今まさに「猫の爪が折れちゃった! どうしよう!」と慌てている方、大丈夫です。まずは落ち着いて、冷静に対処してくださいね。
うちの猫の爪が折れたときの状況
うちの猫の爪が折れたのは、深夜でした。私たちが寝ようと布団に潜り込んで少ししたとき、愛猫がドタバタと一人運動会を始めたんです。
そのときは「また暴れてる…」と思った程度。いつものようにすぐ寝室に来て寝ると思い、特に呼びかけることもせずそのまま寝ていました。
家の端から端までものすごい勢いでダッシュしたりテーブルや出窓に駆け上がったりしているような音がしばらく続き、「ガチャン」という音がした後、急にシーンとしたんです。
「あれ? 何かおかしいぞ」と思い、猫を見に行くと、固まったまま動かずジッとしている猫が。そして床には点々と血が…!
その光景を見た瞬間、私の血の気がサッと引きましたね。一瞬、「何が起こったんだろう?」と頭が真っ白になり、慌てて猫の体をチェック。
どこから血が出ているのか調べようとすると、猫がハッと我に返ったように前足をしきりに舐め出したんです。その前足を見てみると、折れた爪がプラプラとしているのが見えました。
夫を呼び、猫を抱き上げてもらって、そのプラプラしている爪を触るとポロっと取れたのですが、猫が今まで聞いたことのない声で鳴きだした&患部からの出血は見られなかったので、とりあえず解放することに。
そのときは前足を触ろうとすると嫌がって鳴くので詳しく見ることができませんでしたが、後日改めて見てみると、神経がむき出しになっている状態でした。
【応急処置方法】出血が止まらないときはどうする?
うちの猫の場合、爪がきれいにとれたせいか、さほど出血はありませんでしたし、すぐに止まったようでした。
けれど中には同じ状況で出血が止まらない…という場合もあるでしょう。そんなときは病院へ連れて行く前に飼い主さんが応急処置をしてあげましょう。
コットンやティッシュで押さえて止血する
応急処置の方法は、清潔なコットンやティッシュで押さえて止血すること。しばらく圧迫していれば血は止まるそうです。
でも暴れたり嫌がって鳴いたりしそうですよね。それでも猫のためには止血処置はしてあげたほうがいいと思いますが、どうしても無理なら動物病院へ連絡してすぐに連れて行きましょう。
消毒液は使用禁止
ばい菌が入ったら困るからと言って、人間用の消毒液などを使うのはやめましょう。逆に危険だそうです。
良かれと思って使った消毒液や薬でも、猫にとっては毒となる成分が入っている可能性もありますから、素人判断で余計なものを使わないように注意してくださいね。
病院へ連れて行くべき?
これはもちろんイエス。猫の爪が折れた・取れた、欠けたという場合には、病院へ連れて行ってあげましょう。
ネット上では「爪が折れても特に病院へ行かなかった」「病院へ行かなかったけど平気だった」という体験談もありましたが、万が一のことになったときには猫が余計苦しい思いをすることになるので、私は連れて行くべきだと思います。
病院へ行かないと化膿する危険性がある
爪が折れたときの患部は、爪の中にあった神経がぷら~んと露出している状態でした。
それを猫が必死に舐めているので、「ばい菌が入らないかな?」とかなり心配に。
実際、病院で適切な処置をしてもらわないと、患部からばい菌が入って化膿する危険性が高いとのこと。
病院で先生に「爪が折れてもきれいに折れていれば受診する必要はなかったですか?」と聞いたところ、「細菌が入って化膿する恐れがあるので、必ず来てください」と言われました。
まあ病院も商売なので、なかなか「来なくていい」とは言わないと思いますが、化膿してしまったらもっと大変なことになるし猫にとってもつらいことになるので、連れて行ってあげましょう。
ピンチ! かかりつけの病院がお休みだった
ちなみにわが家の場合、爪が折れたのが深夜だったことと、翌日・翌々日がかかりつけ医の休診日だったというタイミングの悪さでした。
翌日、いつもとは違う病院へ行こうと思いましたが、他の動物病院がどこも家から遠い…。車を持っていればどこの病院でもいいので行きましたが、様子を見ることに。
事故(?)の直後は前足を気にして舐め続けていましたが、翌日・翌々日はふと気づいたときにだけ舐めるという状況だったのでそのままにし、かかりつけ医の休み明けに連れて行きました。
病院でしてもらえる処置の内容と料金
病院で実際にしてもらった処置は、化膿しないように予防する注射(抗生物質の注射)を打ってもらうこと。
たしか錠剤の薬を処方するか注射かどちらにするか聞かれたと思いますが、迷わず注射を選択。
だって、毎日お薬を猫に飲ませるのって大変なんだもの。猫にとっても飼い主にとってもものすごいストレスです。
それを考えたら注射は1回で終わるし、効果は2~3週間程度持続するとのこと。注射を選ばない理由はありません。
それでも獣医さんがわざわざどちらにするか聞いてくるというのは、注射のほうが値段が高いから。
とは言え、料金は診察料込みで4000円程度だったと思います。病院によっても料金は異なると思いますが、料金設定が高めだと思うわが家のかかりつけ医でもその程度だったので、びっくりするほどの高額になることはないはずです。
ちなみにわが家はペット保険に加入しているので、後で7割払い戻しがありました! 人間の保険は入っていて役立ったと感じたことはないですが、ペット保険は本当に入っていてよかったと心から思います(笑)。
まだペット保険に入っていないという方は、とりあえずいろいろな保険を比較してみてはいかがでしょうか?
爪が折れてから生えてくるまでの期間と猫の様子
爪が根元からきれいにスポンと折れて(取れて)しまってから病院で抗生物質の注射をしてもらい、3~4週間程度で神経の周りにうっすら膜状のような爪が生えてきました。
その爪らしきものを見たとき、やっとホッとしましたね。それまでは猫が患部を舐めるたびにハラハラしていたので…。
あと猫の様子ですが、翌日からは何事もなかったかのように元気に過ごしていました。さすがにあの日の夜のように暴れまくることはなかったですが、普通におもちゃで遊んだり私に噛みついたりはしていました。
猫の爪が折れることを防ぐために家でできる対策
獣医さんに爪が折れた原因を聞かれて困ってしまったのですが、私の予想では窓から小さいテーブルに飛び降りようとして失敗し、テーブルに爪を引っかけたかぶつけたかした拍子に折れたのだと思います。そのため窓とテーブルの距離を見直すことにしました。
また獣医さんから猫の爪が引っかかりやすそうなものはないか聞かれたので、「床に敷いているラグとカーテン、ソファくらいでしょうか」と答えたところ、「それはどうにもできませんねぇ」とのこと。
他に爪が引っかかりそうなものはうちになかったのですが、もし片付けたりなくしたりできるものがあれば、そういったものをしまっておくのも家でできる対策だそうです。
あとは猫の爪が引っかかりにくいよう、こまめに爪切りをしてあげること。猫は爪切りを嫌がるので、飼い主にとってもストレスになるのですが、この件以来、爪が伸びすぎていないか定期的にチェックするよう徹底しました。
爪切りが苦手な猫ちゃんには、『爪切り補助具 もふもふマスク』なるお助けグッズも発売されています。うちの母は猫の顔と体をタオルで覆って爪切りをしていましたが、このマスクのほうが猫にとっても飼い主さんにとっても負担が少なそうです。欲しい!
まとめ
猫の爪が根元から折れたときはビックリしすぎてパニックになりそうでした(その日は結局猫が心配で眠れませんでした)が、飼い主さんがパニックになると猫もパニックになってしまうので、冷静に対処してあげなければいけません。反省…。
止血の必要があれば止血し、あとは獣医さんに見てもらって適切な処置をしてもらいましょう。自然に治るとしても化膿のリスクがありますし、爪が生えてくるまで飼い主さんもずっとハラハラしたり心配したりしているのはつらいと思います。
病院できちんと見てもらい、抗生物質の注射をしてもらえば化膿の心配がなくなるので安心できますよ。やっぱり何かあってから「あのとき病院へ連れて行っていれば…」と後悔したくないですからね。
また猫の爪は布などに引っかかったりジャンプしたりしただけでも折れたり欠けたりしやすいそうなので、定期的に爪切りをするなどして注意してあげましょう!