猫の譲渡会で里親になれない人の特徴~「条件が厳しすぎる」は事実?

ドアのすき間から顔を出す3匹の猫 豆知識

「猫の譲渡会や里親募集に興味がある」「譲渡会がどんな感じなのか知りたい」「どんな人が猫の里親になれるのか知りたい」「猫の里親になれる条件が知りたい」という方のために、本日は私が猫の譲渡会へ行ったときの体験談を綴ろうと思います。

「猫の里親になるための条件が厳しすぎる!」というのは譲渡会に限らず里親募集サイトなどでもよく聞く話ですが、実際のところどうなのか気になっている人も少なくないでしょう。

最初に言っておくと、わが家は希望する猫ちゃんの里親にはなれませんでした。

なぜなれなかったのか? 本当の理由はわかりませんが、里親に選ばれた人と選ばれなかった人の条件から、里親になれなかった理由を探っていきたいと思います。

猫の譲渡会へ行ってきました!

今から2年前、「猫を飼おう!」と決意してからすぐ、夫と二人で猫の譲渡会へ参加しました。

その譲渡会は猫の保護活動をしている団体や個人が参加している譲渡会で、東京の東側(場所は濁します)で開催されているものでした。

ネット上で「猫 譲渡会」で検索し、一番直近で開催されている譲渡会かつ参加する猫が公開されている譲渡会の中で、「この猫の里親になりたい!」と思う猫がいた譲渡会へ行きました。

私たちが選んだ猫ちゃんは、1歳のオス猫。雑種ですが洋猫の血統が入っている感じで、とてもきれいな毛並みの美猫ちゃんでした。

夫と「人気ありそうだね。すごいきれいな猫だもんね」と言いながらも、「でもこの猫すごく気に入ったし、とりあえず参加してみよう!」ということで参加を決意。

わが家は東京の西側なので、東京を縦断する形で遠方の譲渡会へ向かったのです。

nekokai
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今にして思えばもっと近場の譲渡会に参加すればよかった…。

猫の譲渡会の流れ

まず簡単に譲渡会の流れ(※私たちが行った譲渡会の流れであって、他は違う可能性が高いです)をご紹介しておきますね。

(1)会場到着&整理券をもらう
(2)開場後、参加している猫ちゃんたちを見て回る
(3)お目当ての猫ちゃんがいたら、譲渡主さんに声をかけて相談
(4)里親希望の申請書みたいなものを里親希望をする猫ちゃんの譲渡主さんに提出
(5)譲渡主さんが里親選考をする(2時間くらいかかりました)
(6)里親選考の結果発表
(7)里親に選ばれた人は譲渡主さんと面談

私たちにとって初めての譲渡会。ドキドキとワクワク、そして不安が入り混じった複雑な心境で会場に到着。

整理券が配られ、行列に並んで開場を待つことに。「人数が多すぎる場合は入場できない」とのことでしたが、開場30分前くらいに着いたためセーフ。でも随分たくさんの人が既に並んでいました。

「これだけたくさんの人が来ているなら、今日はきっとたくさんの猫ちゃんの里親が見つかるんだろうな」と嬉しい気持ちになったのを覚えています。

そして開場時間になり、いざ猫ちゃんたちとご対面。サイトで見て「この子」というのは決めていましたが、会場内のすべての猫ちゃんたちを一通り見て回りました。

すべての猫ちゃんたちを見て回ったものの、やはり元から決めていた猫ちゃんが一番ということで、譲渡主さんの元へ。

するとやはり相当人気が高いらしく、一人ひとりとの面談をじっくり行うことは無理ということで、簡単な自己紹介や質疑応答をしてから里親希望の申請書みたいなもの(アンケート用紙)を提出して書類選考という形になりました。

必要事項をすべて記入して提出し、選考結果を待つこと2時間ちょっと…。

結果、残念ながら里親には選ばれませんでした

里親希望のアンケートで聞かれた項目は?

里親希望の申請書みたいなものには、さまざまなアンケート項目が書かれていました。

たとえば覚えている限りでは、以下のような項目です。

・氏名
・住所
・家族構成
・家族全員の年齢
・家族全員の職業
・年収
・1日のうちで家を留守にする時間
・週に何日、猫を長時間お留守番させる日があるか
・旅行に行く頻度
・持ち家か賃貸か
・一戸建かマンションか
・マンションの場合はペット可物件か・広さはどれくらいか
・今までに猫を飼ったことはあるか
・猫を飼ったことがある場合はその猫が亡くなった年齢と理由
・なぜ猫を飼おうと思ったのか
・完全室内飼いにできるか
・猫のために月いくらお金を使えるか
・1年に1度、ワクチン接種を行えるか
・譲渡が決定したら猫を飼える環境か確認するために家の中を見ることに了承できるか

などなど。他にもいろいろ項目がありましたが、覚えているものをざっと挙げてもこれだけあります。

里親になれなかったわが家のスペック・条件を公開

書類選考の結果、わが家は里親には選ばれなかったわけですが、正直なところ「うちがダメなら里親になれる家って相当レベルの高い家なんじゃないの?」と思いました。

そこで何が問題だったのかを客観的に見るためにも、里親になれなかった当時のわが家のスペック・条件を公開します。(※2年前のデータなので、今とは異なる点もあります)

・家族構成・年齢/夫婦二人(夫:37歳、妻:35歳)、子どもを持つ予定は一切なし
・家族全員の職業/夫、妻ともに会社員(正社員)
・年収/800~900万円
・1日のうちで家を留守にする時間/11~12時間
・週に何日、猫を長時間お留守番させる日があるか/平日週5日(もうすぐ妻が在宅勤務に移行予定)
・旅行に行く頻度/今は年に1回程度ですが、猫を飼ったら行きません
・住宅/持ち家・マンション(ペット可・3LDK)
・今までに猫を飼ったことはあるか/実家で飼ったことがある
・猫が亡くなった年齢と理由/20歳(がん)と18歳(白血病)
・なぜ猫を飼おうと思ったのか/実家で猫を飼っていたため猫が大好きでずっと猫を飼いたいと思っており、やっと猫を飼える環境が整ったため、子どもの代わりに猫を迎えたい
・完全室内飼いにできるか/できる
・猫のために月いくらお金を使えるか/月1万円~3万円(※医療費は別途いくらでも支払います)
・1年に1度、ワクチン接種を行えるか/行えます
・譲渡が決定したら猫を飼える環境か確認するために家の中を見ることに了承できるか/了承します

懸念点があるとすれば、共働きで留守にする時間が長いという点くらいでしょうか。でも希望している猫ちゃんは1歳超えなので、お留守番は平気だと思うのですが…。

あとは実家でしか猫を飼った経験がないからというのもある??

里親に選ばれた人はわが家とここが違った

なぜわが家が里親に選ばれなかったかという理由は推測でしかありませんが、やはり「共働きで留守にする時間が長かったから」というのが大きいのかなと思っています。

私たちが譲渡を希望していた猫ちゃんの里親に選ばれたのは40代前半くらいの夫婦で、品が良く優しそうな印象だったので、「あの人たちなら安心だな」と思いました。

聞こえてきた話から、私たち同様、子どもはいないようでした。その夫婦について、それ以外の詳しいスペックや条件はわかりません。

でも他の猫ちゃん(2ヶ月の子猫で一番人気だった)の里親に選ばれたある家族については面談中の会話が丸聞こえだったので、その家族のスペック・条件からわが家との違いを列挙しておきたいと思います。

その家族は夫婦と息子3人(それぞれ大学生・中学生・小学5~6年生くらい)で譲渡会に来ており、話の内容からかなり暮らしに余裕のある家庭であることがわかりました。

そしてわが家との決定的な違いは、奥さんが専業主婦であること、そしておじいちゃん・おばあちゃんと同居で家に人がいない時間帯がないこと、先住猫が2匹いるものの二世帯住宅で家がかなり広いことから住み分けが可能なこと。

確かにそのスペックなら里親に選ばれますよね、という感じでした。外見はちょっとヤンチャそうな家族(失礼)でしたが、かなりきちんとしたご家庭のようで、ちょっとびっくり。

やっぱり専業主婦のいる家庭・一戸建ての家庭・猫を飼うことに慣れている家庭は強いのかなという印象です。

こんな条件はアウト!? 里親応募の選考対象にすらなれない人もいた

里親を希望する人はお目当ての猫ちゃんの譲渡主さんに一声かけ、簡単な自己紹介・質疑応答をしてOKが出たら里親希望の申請書みたいなもの(アンケート用紙)を提出するという流れだったのですが、中には里親希望の申請書みたいなものすら提出することが許されない人たちもいました。

それはどんな人たちなのかというと、話を聞いていた限りでは以下のような条件の人たちでした。

・一人暮らしの男性(これはなぜでしょうか?)
・若い同棲カップル
・60歳以上の夫婦
・子猫の里親を希望している共働き夫婦

こういった人たちはかなり厳しめに応募自体を断られていましたね。

子猫の里親になるには条件がグンと厳しくなるようで、他にもけっこう多くの人がアンケート提出(里親への応募)にすら進めていないようでした。

猫の里親になれる条件は厳しすぎる?

譲渡会で里親応募自体を断られている人たちを見て、私が「厳しすぎるな」と感じたかどうかというと、答えはNOです。

「まあ、しょうがないだろうな」というのが正直な感想です。

だって、自分が譲渡する側だったとしたら、やっぱり先述した「若い同棲カップル(別れてしまった後の猫の飼育が気がかり)」「60歳以上の夫婦(猫の年齢によっては生涯お世話ができない可能性がある)」「子猫の里親を希望している共働き夫婦(6ヶ月未満の子猫は目を離す時間が長いと危険)」には譲渡が難しいなと思ってしまいます。

わが家も里親には選ばれなかったわけですが、選考には進めています。ただうちよりも条件の良い人がいたというだけ。人気の高くない猫ちゃんだったら里親になれていた可能性は十分あると思っています。

ただ私たちが行った譲渡会の話を抜きにして、里親募集サイトで個人が挙げている譲渡条件の中には確かに「厳しすぎる」と思うものも多いです。

たとえば私が見た中で「それってどうなの?」という条件は、「〇〇区の△△動物病院をかかりつけ医とすることを約束いただける方」というのがありました。

特に持病があるわけでもないのに、なぜ動物病院まで指定されなきゃいけないのか疑問です。「そんなに条件を狭めてしまったら、いつまでたっても里親が見つからないんじゃないだろうか」と思ってしまいます。

あとは心証の問題ですが、自分が猫を飼えなくなったことを棚に上げて、やたら上から目線で里親の条件を列挙している人も「ちょっとどうなの?」と思ってしまいます。

大切な命ですから、里親になる人にいろいろ条件をつける気持ちはわかります。

よく「猫が飼える環境が整っているか家庭訪問する」「譲渡後も毎月定期的に猫の動画を送ること」「譲渡後もマメに猫の状況を連絡すること」などの条件が「厳しすぎる」と話題になることもありますが、私はそれらを厳しいとは思いません。

変な人に譲渡するのは嫌ですし、大切に思っていた猫には幸せになってもらいたいですから、それくらいの条件をつけたいと思う気持ちには納得できるんです。

けれど、やはり納得できないのは譲渡する側の対応。譲渡会でも見かけましたが、里親希望者の話もロクに聞かずに門前払いのような対応をするのはいかがなものかと思います。

もし条件を満たしていなかったとしても改善できる余地はあるのかを聞いてあげることも必要だと思いますし、何より「猫の里親になりたい」と言ってきてくれた人に感謝の気持ちを持って接することは大切だと思うのです。

なぜなら譲渡会や里親募集サイトで嫌な対応をされた人は、譲渡会や里親募集で猫を譲ってもらうことに抵抗感や偏見を持ってしまい、「里親に応募すると嫌な思いをするだけだから、もう利用しない!」ということになってしまいかねないから。

それでは元も子もないですよね。譲渡会や里親募集に応募することに抵抗感や偏見を持たれないためにも、譲渡する側にもマナーを守ってほしいなと思います。

まとめ

話が脱線気味になりましたが、今回は譲渡会の体験談を綴りました。

結局私たちは里親になれなかったので、ペットショップで大きくなって売れ残っていた猫を飼うことを選んだわけですが、後悔はしていません。

そして今後もう1匹猫を飼う場合には、譲渡会や里親募集サイトを利用する予定です。

前回は家から遠い場所での譲渡会に参加したのも悪かったのかなと思うので、住んでいる地域や周辺地域で開催される譲渡会を狙って行ってみようと思っています。

今なら留守にする時間もほとんどないですし、きっと里親になれるはず…。そして里親に応募した際にはまた記事にしたいと思います!

譲渡会に興味のある方は、まずは見学のつもりで参加してみるといいですよ。保護主さんの中には猫への思いや飼い方などを一生懸命教えてくれる方もいて、話を聞くだけでも勉強になるのでおすすめです♪