猫の飼い主さんにとって、愛猫に食べさせるキャットフード選びは慎重になるものですよね。
「愛猫にいつまでも健康でいてほしい」というのはすべての飼い主さんの共通の願い。
そこで今回は、「安全で良質なキャットフードの選び方」をご紹介します。
「猫を飼ったばかりでどんなキャットフードを選べばいいかわからない」「最近キャットフードへの食いつきが悪い」「今あげているキャットフードのままでいいのか気になる」「おすすめのキャットフードが知りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
キャットフードの種類
キャットフードには主に、「ドライフード」と「ウェットフード」の2種類があります。
ドライフードとウェットフード、それぞれにメリット・デメリットが存在しますから、愛猫の好みや飼い主さんのライフスタイルに合わせて選ぶことが肝心なんです。
ではドライフードとウェットフード、それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
ドライフードの特徴とメリット・デメリット
その手軽さやコスパの良さから多くの猫飼いさんがメインで与えているのが、通称「カリカリ」と呼ばれるドライフードです。
ドライフードのメリットは次の6つ。
・価格が比較的安い
・少量で必要な栄養素やカロリーが摂取できる
・常温保存が可能
・開封後も比較的長く保存できる
・歯石がつきにくい
・一度で食べきれなくてもしばらく出しておける
一方、ドライフードのデメリットは次の3つです。
・開封後に酸化しやすい
・水分が不足しがち
・炭水化物の含まれている率が高い
ドライフードはその名の通り乾燥しているので、保存が比較的長く簡単にできるのが特徴です。
また手軽に少量で猫に必要な栄養素やカロリーを摂取することができるので、コスパがいいのも嬉しいポイント。
ただし水分が少ないため普段から水を飲む量が少ない猫の場合、水分不足になりがちです。
穀物などの炭水化物が含有されている率も高いのが気になるところ。
ウェットフードの特徴とメリット・デメリット
缶詰やレトルトパウチなどになっているウェットフードは、猫の嗜好性が高いのが特徴です。
ウェットフードのメリットは次の5つ。
・水分の含有量が高い
・未開封なら長期保存が可能
・猫の嗜好性に合っているため食いつきが良い
・少量のものなら鮮度の良い状態で食べさせることが可能
・さまざまな味の種類がある
一方、ウェットフードのデメリットは次の6つです。
・コストがかかる
・猫に必要なカロリー・栄養を摂取するにはたくさん与える必要がある
・開封後は冷蔵保存が必要で保存期間が短い
・一度で食べきれない場合は出しておけない
・総合栄養食ではないものも多い
・歯石がつきやすい
ウェットフードは水分の含有量が高いため、水分不足のリスクが少ないこと、食いつきが良いことが特徴です。
ただし開封後の保存期間が短いこと、猫に必要なカロリー・栄養素を摂取させるにはたくさんの量を与える必要があるためコスパが悪いことはマイナスポイントになります。
ドライorウェットどちらを選ぶべき?
ドライフードとウェットフードにはそれぞれのメリットやデメリットがあるので、一概にどちらが良いとは断言できません。
それぞれのメリット・デメリットを比較してみて、愛猫にとってはどちらがいいのか、自分たちのライフスタイルにはどちらがいいのかを考えた上で選ぶことが大切です。
また必ずしもどちらか一方に限定する必要はありません。
ドライフードの上にトッピングでウェットフードを乗せる、朝はドライフードで夜はウェットフードにするなどというのもおすすめ。良いとこ取りができます。
うちの猫の場合はウェットフードを子猫のうちにあまり食べていなかったためか、今でもほとんど食べてくれません。
キャットフードの選び方のポイント10つ
安全で良質なキャットフードを選ぶ基準についてもチェックしていきましょう!
猫の年齢に合ったものを選ぶ
キャットフードには、「全年齢用」という年齢に関係なくどのライフステージの猫でも食べられるキャットフードもありますが、ブランドによっては「子猫用(キトン用)」「成猫用(アダルトキャット)」「シニア猫用」と年齢別に分けられたフードもあります。
それは年齢によって猫が必要とする栄養素の量やカロリーが異なるから。あえて年齢別にフードが分けられているブランドを選ぶ場合は、愛猫の年齢に合ったものを選びましょう。
なお全年齢対象のフードであれば、給与量を調整するだけでそれぞれのライフステージに合わせた栄養素・カロリーが摂取できるので、特に何も考える必要はありません。子猫からシニア猫までずっと同じキャットフードを与えていて大丈夫です。
「総合栄養食」という表記のフードを選ぶ
キャットフードには「総合栄養食」「一般食」「副食」「おやつ(間食)」という表記のものがあります。
普段の食事として与えるものは、必ず「総合栄養食」という表示のあるものを選びましょう。
「総合栄養食」表示のあるフードは、それだけで猫に必要な栄養素やカロリーが摂取できるフードです。
総合栄養食と水さえ与えれば、猫の健康を維持できるように作られています。
その他の表示のものは、あくまでも補助食品という位置づけ。それだけを食べさせていても必要な栄養素やカロリーが摂取できないため注意してください。
良質なタンパク質が豊富に含まれているものを選ぶ
もともと肉食である猫の健康維持のためには、良質なタンパク質の摂取が欠かせません。
AAFCO(米国飼料検査官協会)の定める基準によると、猫が必要とするタンパク質の量は26%(DM)以上とのこと。
最低でもこの基準以上のタンパク質量が含まれたキャットフードを選ぶ必要があります。
ただし近年の研究によると、本来の猫の食性から考えれば、もっと高い割合のタンパク質量が必要なのだそうです。
そのため肉や魚などが主原料になっている高タンパクなキャットフードを選ぶことが大切になります。
アミノ酸・ビタミン・ミネラルのバランスがとれたものを選ぶ
猫にとってアミノ酸・ビタミン・ミネラルは必須栄養素。これらの含有量のバランスがとれたフードを選ぶことが大切です。
含有量のバランスは、キャットフードの成分表示を確認してみましょう。
チキン・魚・ビーフ…猫の味の好みで選ぶ
猫も人間と同じように、食べ物に好みがあります。「猫と言えば魚」とイメージする人も多いかもしれませんが、魚系のフードは食べないという猫も少なくありません。
キャットフードにはチキン・サーモン・タラ・ニシン・ビーフ・七面鳥、アヒル、ダック、ラム、鴨、鹿、バイソンなどなど、さまざまな原材料のものがあります。
「うちの猫は少食であまり食べない」「せっかく高いプレミアムフードを買ったのに食べてくれない」という場合は、愛猫の好みが何なのかを見極めてフードを選んであげると、食いつきも良くなるはず。
実際、うちの猫は最初のうちは「チキン」が好きだったのに、途中から魚系に好みがシフトしてしまい、チキン系を食べなくなってしまいました…。
なおアレルギーのある猫の場合は注意が必要です。好みだけで選ぶのではなく、アレルギーとなる原材料が入っているフードは避けるようにしましょう。
化学薬品や化学的な酸化防止剤などの添加物が入っていないものを選ぶ
キャットフードの中には、添加物が多く含まれたものもあります。添加物はアレルギーの原因になったり健康を害する要因になったりすることもあるので、なるべく添加物が入っていないフードを選んであげましょう。
キャットフードの成分表示に、「BHA」「エトキシキン」「BHT」「プロピレングリコール」「着色料」「硝酸ナトリウム」「亜硝酸ナトリウム」といった表記があるものは避けたほうがいいです。
猫に多い泌尿器系の疾患への対策がされているものを選ぶ
猫の泌尿器系疾患にかかる割合は高く、花王株式会社が行った『猫の健康に関するアンケート調査』の「愛猫が過去経験した病気は?」という質問では、「泌尿器系の病気」と回答した飼い主さんが1位で46.8%でした。
この結果から、約2頭の猫のうち1頭の割合で泌尿器系の病気にかかっているということになります。
そのためキャットフードを選ぶ際には、尿路機能を正常に保つ成分であるベリー系のフルーツなどが含まれたものを選ぶのもおすすめです。
疾患がある場合は療法食から選ぶ
腎疾患や尿路結石など、すでに何らかの疾患にかかっている猫の場合は、通常のキャットフードではなく固有の疾患に対応した療法食を選びましょう。
療法食は一般的なフードと違い、化学的な根拠に基づいて開発されているフードです。
病気の改善率や寿命の延長などを研究した上で作られているので、疾患を持っている猫にも安心して与えることができます。
動物病院で販売されていたり処方してもらったりすることもできるので、動物病院で相談するのが一番です。
ノーグレイン・グレインフリーを選ぶ
本来、猫は米や小麦といった穀類などの炭水化物を必要としません。そのため猫は炭水化物の消化が苦手です。
また米や麦といった穀物は猫のアレルギーの原因になりやすいものでもあります。
そういった意味でも、穀類が含まれていない「ノーグレイン」「グレインフリー」のフードを選ぶこともおすすめです。
気を付けたいのが市販の安いキャットフード。かさ増しの目的で穀物を多く使用しているものもあるので、成分表示を確認してから購入しましょう。
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粒の大きさやかたさの好みを考慮して選ぶ
ドライフードの場合、商品によって粒の大きさやかたさは異なります。
いくら良質で安全なキャットフードを選んでも、粒の大きさやかたさが猫の好みに合わなければ、好んで食べてくれないということにもなりかねません。
愛猫が好むのは小粒なのか大粒なのか、やわらかめなのかかためなのかを見極められるといいでしょう。
うちの猫は小さな粒のフードしか食べません。大きな粒のものをあげると、口には入れるもののうまく食べられずにポロポロとこぼしてしまいます。
私も実践! キャットフード選びに迷ったときの対処法
キャットフードと一口に言ってもその種類は山ほどあります。
また良質で安全なプレミアムキャットフードは、スーパーやドラッグストアなどで売っているキャットフードに比べて値段も高いものです。
購入しても食べなかったら…と考えると不安ですよね。
そんなときに役立つのがサンプルです。メーカーによっては少量のサンプルを用意しているところもありますから、まずはサンプルで愛猫が食べるかどうか試してみるのがおすすめです。
実際に私も随分、多くのメーカーからサンプルを取り寄せました。結果的に猫が食べてくれなかったフードもたくさんありますから、本当にサンプルに感謝! というところです。世間的に評価が高く「嗜好性バツグン」と言われていても、自分の愛猫も好んでくれるとは限りませんからね。
もし「試してみたい」と思うキャットフードにサンプルがない場合は、小袋タイプを購入してみましょう。大袋タイプのほうが割安なのでお得感がありますが、もし大袋を購入して猫が食べてくれなかった場合はもったいないことになってしまいます。
少々割高ではありますが、初めて購入するキャットフードの場合はまず小袋タイプで試してみるのがおすすめです。
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まとめ
うちの猫はとても偏食なのでキャットフード選びに苦労していますが、今はさまざまなメーカーのキャットフードからサンプルが出ているので助かっています。
口コミ評価が高いキャットフードであっても、猫の好みに合わないことも多々あります。「他のうちの猫ちゃんたちは食べてくれるのにうちの猫は食べないなんて…」と思うこともあるでしょうが、いろいろ試してみる中できっとあなたの猫ちゃんの気に入るフードが見つかるはずです。
ご紹介したポイントをもとに、猫ちゃんが気に入ってくれるものを地道に探していきましょう☆